「知覚心理学」明星大学人文学部心理学専修講義のノート

知覚は問題解決過程—アーヴィン・ロックの認知心理学—

講義中に提示するパネルの一覧をノートとして提示します。受講の際に利用してください。

第1章 形と方向の知

1.1 “向き”の知覚に関わる要因

パネル1-1 正方形と菱形で何が違うか?

1. 網膜上での対象物の向き(この要因を分離するには図1-2のようにすればよい)

2. 重力軸との関係

3. 本のページなど視覚枠組みとの関係

パネル1-2 ロックによる方向定位基準の分類

1. 自己中心的定位(egocentric orientation)=網膜定位(retinal orientation)

2. 環境的定位(environmental orientation)

 2-1. 重力方向(gravity)

 2-2. 視覚枠組み(visual frame of reference)

パネル1-3 網膜定位が決定力をもつ視対象

1. 顔(写真)を見てそれが誰かの同定や,表情の読みとり

2. 英単語,特に手書きでの筆記体の読みとり

パネル1-4 Kopherman(1930)の4四角形のうちどれが正方形に見えるか?

(a)自己中心的定位=正方形

(b)自己中心的定位=菱形

(c)自己中心的定位=菱形

(d)自己中心的定位=正方形

パネル1-5 Rod-and-Frameテストにより明らかになる2つの認知スタイル

1. 枠組み方向に引っ張られやすい=場依存型

2. 枠組みの方向に影響されにくい=場独立型

1.2 顔や手書き文字はなぜ網膜定位的なのか

パネル1-6 顔や手書き文字列の知覚はなぜ網膜定位的か?

仮説:多数の成分の存在が図形の修正を難しくする

パネル1-7 同時提示された4つの候補から先に見たのと

同じ図形を選ぶ実験の結果(8点満点)

1. 4つの図形を正立姿勢で見る条件:4.5点

2. 4つの図形を股のぞきで見る条件:2.25点

パネル1-8 上の見解が多数成分の同時比較によることを示すための

補足実験=候補図形を1つずつ提示する実験

1. 4つの図形を正立姿勢で見る条件:5.8点

2. 4つの図形を股のぞきで見る条件:5.6点

パネル1-9 すべての対象に共通する知覚過程のルール

1. すべてものもは,まず自己中心的定位が起こる=初期知覚

2. 続いて,環境的定位に従う知覚へと進む=最終知覚

1.3 方向の“割り当て”

パネル1-10 “本来的(intrinsic)定位”をもつビンのような場合も例外でない

1. まず,初期知覚として網膜的定位が起こる

2. 次に,本来的定位による「上」の割り当てと環境的定位による「上」の割り当てが同時進行する

3. 最終的に本来的定位が採用される

1.4 図形の“記述”

パネル1-11 “description(記述)”の役割についての2つの仮説

〈仮説1〉 記述は補足物

(仮説2) 記述は知覚の本質

パネル1-12 “思惟経済の原理”から導き出せる“記述”の役割

1. 方向に関係しない形の知覚と方向に依存して決定される知覚とが別々に存在すると考えるのは不経済である

2. 「記述には方向に関することがらが含まれない」と見なしてよいか?

パネル1-13 あなたなら,図1-11の図形をどのように記述するか?

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パネル1-14 図1-13の図形をどのように記述するか?

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1.5 対称性の知覚

1.6 ロックの実験アイデア

パネル1-15 自己中心的定位=網膜定位以外与えない状況はどのようにして作り出せるか?

1. “otherwise dark room”にする=視覚枠組み情報の排除

2. 被験者を,台の上に仰向けに寝かせる=重力要因の排除

パネル1-16 自己中心的定位の正確さを測定する実験の結果

(12人の被験者の誤差の平均値)

1. 自己中心的垂直調整課題:時計の1時方向へ2.7度のずれ

2. 自己中心的水平調整課題:時計の3時より2.2度だけ2時方向へのずれ

1.7 ロックのアイデアを発展させる1:思考実験

パネル1-17 どのような内容が記述されやすいかを知るための実験仮説

1. 全体に関する記述が部分に関する記述よりも生じやすい

2. 全体・部分に関係なく,目立つことがらが記述されやすい

パネル1-18 図1-12のa図を見て,どのような図形かを記述せよ

[                                                                                                    

 ]

パネル1-19 図1-12のb図を見て,どのような図形かを記述せよ

[                                                                                                                                    ]

パネル1-20 思考実験の手続き

1. 記述相:各被験者は次の2つの条件のどちらかにのみ参加する

 記述類似条件:図1-12のように両者の図形に対する記述内容に違いが生じないような図形に対して記述文を書かせる(1人の被験者にはどちらか一方にのみ記述させる)

 記述非類似条件:図1-12とは違い,記述内容に違いが生じるような図形に対して記述文を書かせる(1人の被験者にはどちらか一方にのみ記述させる)

2. 弁別相:記述相とは異なる被験者に対して

 記述類似条件:2つの図形に対して得られた記述文をランダム順に1つずつ提示し,その文がどちらの図形を記述したものかを判断させる

 記述非類似条件:記述類似条件と同じ作業を記述非類似ペアに対して行う

1.8 ロックのアイデアを発展させる2:反応時間による対称性知覚の吟味

パネル1-21 これまでの実験で得られている反応時間パターンの食い違い

1. Corballis and Roldan(1974):対称軸が垂直→斜め→水平の順に反応時間が長くなる

2. Goldmeier(1972)及び本書での見解:対称軸が垂直→水平→斜めの順に反応時間が長くなる(=oblique効果)

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