「知覚心理学」明星大学人文学部心理学専修講義のノート

知覚は問題解決過程—アーヴィン・ロックの認知心理学—

講義中に提示するパネルの一覧をノートとして提示します。受講の際に利用してください。

第2章 無意識的推論説とゲシュタルト心理学への挑戦

パネル2-1 ロックの知覚論「知覚は問題解決過程だ」

の出発点になった2つの研究遺産

1. 「知覚は無意識的推論だ」とするヘルムホルツの知覚論

2. 「知覚は体制化過程だ」とするゲシュタルト心理学

パネル2-2 ロックの知覚論と2つの研究遺産の考え方の違い

ロックは知覚を,

1. 無意識的過程(ヘルムホルツの知覚論)とは見なさない

2. 刺激布置に導かれて法則的に進行する心的過程(ゲシュタルト心理学)とも見なさない

2.1 感覚と知覚を区別すること

パネル2-3 感覚と知覚を区別することに対する態度

1. ヴントの構成主義:感覚は知覚を構成する要素である

2. ゲシュタルト心理学:知覚は全体の構造によって規定され,感覚とのあいだに固定的関係はない

3. ロックの知覚論:知覚とは近接モードと最終知覚との2段階過程である=ゲシュタルト心理学からの離反

2.2 ゲシュタルト心理学からの離反

パネル2-4 群化はどの過程で起こるか?

1. ゲシュタルト心理学:視覚処理の初期段階で起こる(=近刺激布置が決め手となる)

2. ロック:網膜上での近接ではなく,知覚された近接に基づいて起こる

パネル2-5 ロックの弟子 Gilchrist(1977)による

“明るさの恒常性”実験のロジック

評価対象となるターゲット面(物理的明度1.8のところ)の明るさ対比効果は,

1. (網膜上での)物理的近接により決まる→“near条件”と“far条件”で違いがない

2. 周辺部分の知覚された距離(隣接感)により決まる→“near条件”で明るく“far条件”で暗い

2.3 ヘルムホルツの“無意識的推論”説への接近

パネル2-6 ヘルムホルツの無意識的推論には2つの主張が含まれる

1. 知覚は経験の直接的結果である.したがって,その過程は外的に現れることはない=無意識

2. 知覚は推察・論法(reasoning)である=推論

2.4 推論の間接性

パネル2-7 推論過程についてのヘルムホルツとロックの相違点

ヘルムホルツ:大前提→小前提→結論へと一方向的に進行する=無意識過程

ロック:仮の結論に近刺激モード(proximal mode)からの支持や照合を必要とする=意識的過程

パネル2-8 大前提の構築に際しての“過去経験”の位置づけの違い

ヘルムホルツ:大前提の中身は過去経験により作り上げられる

ロック:過去経験だけでは量的法則性は得られない

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